そりゃ、新しい概念を正しく表す言葉を見つけるのは時間がかかるでしょーよという話

自己満足でカタカナ語を振りかざす人々が多いIT業界
ここでわけのわからない文章として例に挙げられているのは、単にUS版ページの直訳に見える。

When your data integration needs grow from one-off projects to a business initiative that helps drive the success of your organization, you need an enterprise-class platform you can trust.

http://www.informatica.com/us/products/enterprise-data-integration/powercenter/

データ統合のニーズが単発のプロジェクトから組織の成功を左右するビジネスイニシアチブに成長するときには、信頼できるエンタープライズクラスのプラットフォームが必要になります。


ほらね、ぴったり一致する。


大体、このページは専門的な製品の紹介ページなので、専門外の人が読んでも分からないのは当然。
そもそも「データ統合」の段階で具体的にどういうことかイメージできてない人の方が世の中には多いはず。
ところが「データ」も「統合」も辞書に載ってる一般的な日本語なので何となく分かったような気にさせられてしまう辺り、日本語に置き換えることが必ずしも親切とは私には思えない。


それからカタカナで言葉を使用する意味について。
「日本語で言ってくれればわかるのに・・・と思うカタカナ語ランキング」の4位にランクインしている「エビデンス」は、私の周りでは「証拠」ではなく「証跡」という言い方をする。
「エビデンスを取る」とか「証跡を取る」というのはよく聞くけど、「証拠を取る」という言い方は決してしない。
でも「しょうせき」って普段耳慣れない言葉過ぎて、日本語ネイティブでも聞き取れなかったり誤解する人が多いと思うのだよね。
IT業界内で「既定」の意味で「デフォルト」が多用されるのも似たような理由だろう。


過去には「インフォームド・コンセント」の概念が日本に導入された時も最初の記事の筆者のように怒っている人を見かけた気がする。
あ、「リストラ」の時もいたなぁ。


でも外国から入ってきた新しい概念を正しく表す言葉を見つけるのは、その業界の人間だけの仕事では無いはず。日本の社会全体で共通の認識として落ち着くまでは時間がかかるし、それまでは分かりにくいのは仕方ない。


以上、釣りに思えるけど釣られてみた。